日本の大学全部行った男、山内太地です。こんにちは。
「早稲田大学文学部と文化構想学部の違い」という話をしたいと思います。
これ、よく似ているんですよね。
「文学を勉強できる」あるいは「文化を勉強できる」という時に、早稲田大学には、文学部と文化構想学部がある。
慶應義塾には文学部しかありません。
いったいこの文化構想学部って何でしょう。
これを理解するために、まずは基本である文学部の話から始めましょう。
早稲田大学の文学部というのは、私たちがイメージしやすい一般的な文学部の学問をコツコツやる基本的な学部だと思ってください。
学問分野としては哲学、東洋哲学。
東洋哲学というのは主に中国とインドの哲学ですね。
心理学、社会学、教育学、日本語・日本文学、中国語・中国文学、英文学、フランス語・フランス文学、ドイツ語・ドイツ文学、ロシア語・ロシア文学。
演劇映像コース、ここちょっと面白くて、明治大学と一緒で、早稲田って演劇強いんですよ。
役者さんもいっぱい出ていますし、学問としての演劇学をしっかりできる。
しかもそれだけではなくて、映像の勉強もできる。
だから、映画とか皆さんも慣れている動画、そういうことを学問としてできるこの演劇映像コースは、めちゃくちゃ面白いです。おすすめです。
そして、美術史コース。
これは何かというと歴史学科とは違って美術の歴史だけをじっくりやるんですね。
これ、とてもマニアックで、ただ世界の特にいわゆる欧米の大学では、美術史をしっかり勉強しているというのは、重要な教養の一つで、これを学問としてきちんとできる。
日本史・世界史とかと違うんですね。
美術の歴史です。
だからもう古代ギリシャとかルネサンスとか好きな人はもうたまりませんよ、ここは。
そして日本史・アジア史・西洋史・考古学。
そして、早稲田の目玉は中東イスラームの研究までできる。
イスラム研究は新しい分野なんですけど、このように文学部っていうのは、昔からある重要な文学の学問を一個一個丁寧に深くやっていく。
これをきちんとやりたい人はまず早稲田大学の文学部を志望してください。
文化構想学部ですよ。
いったいこれは何をやっているんだろうと。
今の文学部が歴史・哲学・文学・映像みたいに縦の学問だと考えたら、文化構想学部は横の学問です。
その縦になっている古典的な学問を横から切ってみたのが、文化構想学部のいろんなプログラムなんですね。
大きく6個に分かれているんですけど、これがですね、名前だけだと何の勉強したらいいか全然わからないんですよ、はっきり言って。
「多元文化論」「複合文化論」「表象・メディア論」「文芸・ジャーナリズム論」「現代人間論」 「社会構築論」というですね。
正直、高校の先生もわからない方、多いと思います。
あくまでも私の理解で、いったい何の勉強をやるかというのを緩やかに解説していきますと、多元文化論は正直これは文学部に近いです。
イスラームの文化・ヨーロッパの文化・アジアの文化・英語圏の文化といったように
文学と歴史を横に切った感じですね。
文学だけをやるんじゃなくて、文学が生まれた背景の歴史の勉強をしたり、その地域の人はどういう暮らしをしているんだろうということで、他の大学にある国際文化学科に近い。
これが多元文化論系ですね。
複合文化論系は「この国はこんな文化ですよ」とかじゃなくて、その現象そのもの追っかけるのです。
だから「言語とは何か」とか「感性とは何か」とか「人間てなんだ」みたいな「人間てなんだ」というときに、さっきのそれは哲学だろうって話なんですけど、哲学だったり文学だったり歴史だったりを人間って何だっていう横線で抜いているのが複合文化論系なんです。
はい全然分かりませんね。
大学の先生に聞いてください。
表象・メディア論系は、いわゆるメディアっていうんでマスコミって考えるイメージが強いんですけど、マスコミの勉強だけではなくて身体論とかイメージと言って、どっちかというと芸術に近いことをやりますね。
これさっきの映像とか美術史とか文学とか歴史といったものを芸術っていう刀でパット切ったと思ってください。
ただしこの芸術っていうのは、音楽や絵画を、絵を書いたり音楽を弾きますとかじゃなくて学問としての芸術をやる。そこに文学や歴史の要素が入ってくる。
この時点で普通に楽しそうなんですけど、この楽しそうこそが早稲田大学の最大の魅力なんですよ。
よその学校だと歴史はしっかりやります。
文学はしっかりやりますって大学ばかりですね はっきり言って。
でもそれを横から切ってみて何でもやってみよう。
面白さっていう点でそれは文化構想学部ほんと面白いですよ。
文芸・ジャーナリズム論系は、文芸は、これはもうイメージが湧きやすい。
小説とか出版とかジャーナリズムといったような、主に、いまどきネットの時代と言いますけど、紙を使った文学の古典的な部分をコツコツやっていく感じで、いろんな文学部のその英米文・日本文あるいは評論みたいなものこれを横でスパッと切っている感じ。
文芸ジャーナリズム論系、結構面白いです。
ただ僕もオープンキャンパスで、やっぱり自分もね、本を書いたりメディアに情報を発信していますから、文芸ジャーナリズム論系がそのマスコミを勉強するには一番面白いのかなと思って見学したんですが、他の論系の話を聞くと意外と多元文化とか表象・メディアの方が、マスコミの人間であっても面白いなって部分もありました。
文学部だと文学科の中で文学とか歴史って絶対決めてそれをしっかりやっていくイメージなんですけど、文化構想学部の場合、この論系がかなり幅広いので、実際にオープンキャンパスに行って、ちゃんと話を聞いた方がいいです。
そうすると私はこれって思い込んでいたのに、説明聞いたらこっちの方が面白い。
それはもちろん入学後も起きます。
そこは大丈夫。
入学後に変更できるんで、そこで面白さっていうものを見つけてほしい。
現代人間論系。これは大丈夫。
基本ここ心理学なんですよ。
心理学とか社会学といったような、古典的な分野を少し切り口を変えているだけで、けっこう、ここは、名前はなんだかわからないんですが、普通に心理学です。
最後の社会構築論系も一見わかりづらいんですけど、ここはコテコテに社会学です。
文学部に社会学できますけど「社会学をやりたい場合は、こっちもあるよ」ぐらいに考えておいた方がいいと思います。
あくまでもこれは私の理解です。
実際には面白い新しい学問分野に見えますが、教えている先生たちは昔ながらの伝統的な学問をやってきた人たちです。
哲学だったり映像学だったり心理学だったり社会学。
結局は、面白いプログラムのバイキング料理みたいな学部なんですが、先生自体は古典的な元々ある学問をしっかりやっています。
そしてこれらを踏まえてあなただけの新しい学問像を作るというのが文化構想学部。
古典的なことをこつこつやりたい従来型の人は文学部。
縦の学問を横に切り裂いて新しいことをやりたい人は文化構想学部へいってください。
小説家なんか文化構想学部の人がいっぱい出ていますね。
まあどっちも良い学校です。
同じキャンパスですから両方授業は取れます。
いろいろ検討してください。
ありがとうございました。
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