みなさん、こんにちは。
日本の大学全部行った男、山内太地です。
あの有名企業への就職にも強い!研究の幅が広く魅力的な国公立大学とは?
という話をしたいと思います。
山 内「本日は、『名古屋工業大学の魅力』について
高木繫先生にお話を伺いします。
先生本日はどうぞよろしくお願い致します。」
高木先生「名古屋工業大学の高木です。よろしくお願い致します。」
山 内「全国の皆さん、国立大学の名古屋工業大学という大学が
愛知県名古屋市にございます。
私から見ると、東京工業大学に匹敵する名門大学にも関わらず
首都圏や関西の受験生の皆さんで
まだまだ名古屋工業大学を知らない方が
いらっしゃるのではないかと思いまして、
今日は高木先生に名古屋工業大学の魅力を存分にお伺いしたいと思います。
一体、名古屋工業大学ってどんなところなんでしょう?」
高木先生「まず定員の話からすると、
名古屋工業大学は1学年930名です。
国立大学の工学部で一番大きいのは東京大学ですが、
名古屋工業大学はそれに次ぐ大きさです。
定員が多いと、何がいいかというと、
簡単に言いますと国立だと学生数と教員数は
ある程度比例するようになっていますから、
それだけ先生の数が多い。
ということは、研究している分野が
非常に広いというのが特色になります。
工学のあらゆる分野をやっているということが
一つの特色なんですけれども
それだけではなく、理学部や医学部、
薬学部出身の先生も結構多いので、
そのような分野にも力を入れています。
工学をキーワードにしていますけれども
理系の総合大学であるという意識があります。
さらに、これが名古屋工業大学の
最大の特色だと思うのですけれども、
デジタルの時代になったからこそ
むしろアナログの研究を大事にしています。
例えば、電力輸送というのは、みんな止めたのですが、
東日本の震災の時にそのせいで、
復興がなかなか思うように行かなかったということがありまして、
名古屋工業大学はずっと続けています。
それから、電気自動車が流行り始めると、
モーターの研究がアナログなので、無くしていくところが多いんです。
ですが、アナログの研究も続けていくことを大切にしています。」
高木先生「もちろん就職は東海地区にあるので、
トヨタグループ、デンソーが良いという
特色がひとつあります。」
高木先生「あとは、場所的な事であくまで立地の問題ですけど、
新幹線の名古屋駅で降りて、中央線に乗り換えて二駅、
そうすると乗り換え含めて、名古屋駅から10分ちょっとで
鶴舞駅に着きます。
そこから徒歩で8分くらいですから
新幹線降りてから20分で正門まで着くという、
恐らく国立大学の中で一番交通の便が良いと思います。
(周辺環境としては)隣が、名古屋大学病院があり、
また、鶴舞公園、大きい公園があるので、
緑が多く環境にいいところです。
都心であってかつ緑が多いので、
便利さと静かさが両立出来ている大学だと思っています。」
山 内「女子学生比率が高いと伺ったのですが?」
高木先生「女子学生の比率が今一年生から四年生で
2021年度実績で19%です。(※2022年3月撮影)
工学部で、恐らく女子学生が一番多いのは
群馬大学の理工学部なんですけど、
そこは理学部が加わっているので、
純粋な工学部で女子が一番多いのは
名古屋工業大学になると思います。」
山 内「これは女子が多い理由は何かあるんでしょうか?」
高木先生「ひとつは女子推薦ですね。
電気と機械で女子に限り推薦入試を実施しています。
定員15名ですから、全体の中で言えばそれほど多い比率では
ないのですけれど、なるべく女子に来てもらいたい
ということで実施しています。
また、女子学生が生活しやすいような様々な工夫もしています。
それとあともう一つ、この東海地区、
トヨタグループの方針、ブラザーもそうですけど、
女子学生の採用に、非常に積極的なので、
そういう点で就職が良いということは
追い風になっているんじゃないかと思います。」
山 内「なるほどですね。
女子学生の皆さんにも大いに名古屋工業大学目指して頂きたいですね。
様々な学問分野があると思うんですけど、教育の特色をお伺いできますか?」
高木先生「一つ目の特色で一番大きいのが、『創造工学教育課程』。
これはそれぞれの中身は各学科と同じようなことを
教わるんですけれども、基本的な教育の考え方が違っていて
6年一貫です。
大学に合格した時点で大学院まで進むという考えです。
入試はありますが、いわゆる科目試験はなしで院にいけるというものです。
大学院まで行くことが前提なので、幅広く学べます。
特にグループワークを入れて
様々な学科の人と一つの課題に取り組むという授業をしています。
なので、これまでにないような見方をしたような学生が出てきます。
ただ、幅広く学ぶって簡単に言っていますけれども、
例えば、機械と電気と情報の授業を全部取らないといけないなど、
学生にとって大変なのは大変です。
その代わり、卒業するときに得られる物がすごく大きいと思います。
あとは、それぞれ一つ一つの学科になるわけですけれど、
私自身が所属していたのが『生命・応用化学科』で、
この学科の特色は名古屋市立大学の
薬学部と連携をしているということです。
(名古屋市立大学の薬学部とは)
相互の授業もやっていますし、研究もやっています。
特に薬学系の研究で名古屋市立大学は
創薬系の研究を残しているんですけども、
それで一緒に手を携えてやっています。
また、例えばセラミックス。
医療に全然関係しないし、どうするのって思うかもしれないんですけど、
実は名古屋工業大学のセラミックス分野の教授が
名古屋市立大学薬学部出身の方がいらっしゃって、
人口骨とか人口骨の中に何か埋め込んで骨腫瘍の治療をしようとか、
そういう研究をなさったりしています。
それから『物理工学科』。
この学科は工学部のなかで素材を供給するところになるんですけれども、
電気電子や機械のための素材を研究するだけじゃなくて
資源のリサイクル。特にリサイクルっていうと
普通プラスチックとか建築とかを考えるんですけど
スマホからレアメタルという希少な金属を回収しよう、
非常に純度良く回収しようと、
そういう金属のレアメタルのリサイクルをやっているのは
恐らくは物理工学科であまりないと思います。
そして、一番主力になるのはやはり『電気機械工学科』です。
電機と機械が一緒になっているということころは
国立でもそんなに多くはないんです。
大阪大学の基礎工学とか筑波大学にもありますけれども、
(名古屋工業大学がこうなっている理由の)一つは
元々、トヨタの要求です。
電気自動車作るにあたっては、
自動車の設計が機械がなければわからないし、
モーターのことも情報くらいは
1年生の間くらい知識を身に着けてほしいということで作られました。
2年目には分かれるんですけれども、
電気系に関して。電気電子というのは簡単に言うと
電気はアナログな世界で、電子はデジタルの世界。
今アナログを捨てちゃった大学多いんですけれど、
名古屋工業大学は両方大事にしています。
機械系でも実習で、エンジンをバラして、
また元通りに組み立てる。
そこも他の大学ではやらなくなったんですけど、
名古屋工業大学ではやっていますし、
アナログの測定器等も、アナログのメーターをあえて残してやっています。
研究の特色で言うと、機械の場合ですと、
東京大学・京都大学・大阪大学と言うと重工業が強いんですね。
ですが、名古屋工業大学では、土地柄もありますが
トヨタが強いと言う意味で、車とかロボットが強いです。
ロボットの中でも、あまり大型ではなくて、
小型のロボットや介護用ロボットとか
そういう繊細な動きをするものが強いというのが一つ。
それと、あまりご存じない方も多いんですが、
機械とか電気もバイオにすごく力を入れています。
機械系はわかりやすいかもしれないですね、
手術支援とかそういうロボットとかを使っているんですけど、
実は電気のほうで、診断だけではなくて
診断されたデータとかを組み合わせて使用しています。
例えば、名古屋工業大学の平田先生なんかはコロナ対策。
(内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室)でもやっていますけれども、
コロナの感染予測をやっていたりします。
情報工学のテクをハードウェアと組み合わせなければ
なかなか難しいところで、
非常に上手く活かせているのが
(名古屋工業大学の電気・機械工学科)の特色だと思います。」
山 内「はい。情報工学だとどういう特徴があるんでしょう?」
高木先生「『情報工学科』の場合は、一つの特徴として、
他の大学では人工知能系は別に理学部があると別学科になるケースがありますが、
情報工学科の中にちゃんとあるということや、
メディア系というのに強いです。
メディアというとマルチメディアで、
いわゆるエンターテインメントと考えてしまう高校生が多いんですけれども、
そうではなくて画像とか、音声、それから触覚で、
特に音響あたりが非常に強いです。
そして、バーチャルの嗅覚、匂いを研究している先生もいらっしゃいます。
なので、元々電気情報っていう形で
電気系と一緒にいたこともあって
ハードウェア関連についての互いの共同研究なども
上手くいってるので、そちらが強いと言うのが特色になります。
あと、情報系でもう一つ学科がありまして、
『社会工学科』というのが名古屋工業大学にはあります。
社会工学科だけは3分野独立して
学生をとっていて、
建築デザイン・環境都市、こちらは土木系になります。
3つ目に経営システムという分野があります。
経営システムというのは、
実はデータサイエンスに非常に力を入れています。
ただデータサイエンスというのは、
単にデータを解析するより何をするかということが大事になりますが、
品質管理、要するにより良い製品を効率よく作るためにはどうすればいのか
という面でデータサイエンスを積極的に利用しています。
これは実は、働きやすい職場を作るなんてことにも入ってきます。
ですから、ある意味だと文系的なことをやりたい人にも、
それを使った情報という形になっています。
最後は残り二つ土木建築系(建築デザイン、環境都市)ですが、
建築デザイン分野は意匠系にかなり力をいれています。
これは地元の方じゃないとわからないかと思うんですけれども、
すぐそばの鶴舞公園には、音楽堂とか噴水とか色々なものがあるのですが、
これも昔の名古屋工業大学の先生の設計です。
元々、建築物やインテリアに強いんですけれども
このような歴史的なものもから
それこそスマホのデザインまでやろうとしてらっしゃる先生もいます。
バランスでいうと、ある意味で建築で
一番バランスのとれた幅広い内容を扱っていると思います。
環境都市は、土木っていうとハードで3低のイメージと
未だに言われたりして、そこに目が行きがちですが、
当たり前ですけど地震とか洪水などの防災とかをやっていますが、
ソフトウエアの分野にも非常に強いです。
都市計画では交通や、住みやすい街づくりはどうしたらいいかとか、
商店街の活性化などを実は土木系でやっているのは珍しいと思います。」
高木先生「最後はちょっと変わったところなんですけど、
『基幹工学教育課程』と言われるところで、
昔、夜間・第2部と言っていたところなんです。
夜間主コースなんですが、主と言っても、
夜の授業だけでも卒業はできます。
ただ、単位数の関係で、夜の授業だけだと5年かかってしまう
欠点があるんですけれども、授業料は半額です。
なので、年間で半期分で27万円弱って言うことになります。
基幹工学という名前で表されるように、
工学部の基幹分野って言うのは
昔は化学系だったんですけど、
化学系は土木系のなかに組み込んで環境関係という風に
組み込んでいこうということで入れています。
募集枠として、ここは専門高校枠です。
ちょっと勘違いされがちなんですけど、
今年初めての入試で工業高校からいっぱい出してくれたんですけど、
別に農業高校でも商業高校でも出願できるようなシステムにしています。」
山 内「これは普通科高校では受けられないですね?
工業・農業・商業高校ですね?」
高木先生「はい。
そのかわりに、総合型選抜の社会人または、
普通校で生活困窮者って言う条件がつくんですけど、
それを受け入れるって形になっていて、
こちらはどうも生活困窮者制度のほうは
宣伝が上手くいってなかったのか
今年は応募が一件もなかったですね。」
山 内「普通科高校で生活困窮者に該当している場合は、
総合型選抜で受験できるんですね?
これは大いにPRしたいところですね。
この学費の安さで名古屋工業大学の教育が受けられるわけですから。」
高木先生「もう一つ、ついでに言うと、
昼間働くということが条件になっていて、就職先を斡旋します。」
山 内「学校側が就職先を斡旋してくれるんですね。
名古屋のメーカーとかですか?」
高木先生「そうですね。」
山 内「すごいですね。
高校生の段階で就職先を自分で探してこなくてもいいんですね」
高木先生「はい。
(高校生から自分で仕事を探してくるのは)
まず無理だろうと思っています。
全国から来ていただきたいのでむしろ勤めながら、
愛知の良さを知ってもらいたいです。
その会社は卒業のときに辞めて地元の会社に
帰ってもらっても構わないというシステムです。」
山 内「それは正社員ですか?アルバイトですか?」
高木先生「どちらもあります。」
山 内「正社員にもなれるんですね?
すごいコースなのでみんな受験しましょうよ。」
高木先生「そうですね。
なかなか残念ながら電気と機械は
日本中の工業高校にあるんですけど、
土木系とか化学系は少ないので、
そう言う意味だとまさに、ちょっと生活環境困ってる方や
被災された方で、
それでも大学に行きたいという場合には
喜んで受け入れられるという体制になっています。」
山 内「わかりました。
以上名古屋工業大学の魅力につきまして高木繫先生からお話をお伺いしました。
先生どうもありがとうございました。」
高木先生「ありがとうございました。」
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