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「大学で学ぶ哲学・倫理学」-哲学の授業って何をするの?哲学と倫理学ってどういう風に違うの?-

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以下をご覧ください

皆さん、こんにちは。
日本の大学全部入った男、山内太地です。

哲学、倫理学についてお話をしたいと思います。

哲学・倫理学について

今日は、大阪大学の中村征樹先生にお話をお伺いします。
中村先生、本日はよろしくお願いします。

よろしくお願いします。
※以下中村先生青文字表記

高校生の方と、時々講演などで話をしていると、
その哲学に興味を持ったっていう方が現れて、
おおむね著名な哲学者の方を選んで強い関心を持ったと。

じゃあ大学で文学部、哲学科で、哲学を勉強したいいうとですね、
よほど反対とまでは言わないにしても、親や高校の先生としては、
まあそんなまあ飯が食えそうにないものを、と。
いうような言い方されることが多いんですけれど、
そういった哲学に興味持っちゃって、
できれば大学で勉強したいなぁとちょっと考え始めちゃったですね、
マセた高校生に対して、
中村先生が、哲学のすべてを語っていただくということは申しませんので、
自身のお立場から考えて、この哲学に興味を持った高校生に、
何か大学選びとか、こうやって学問をやっていったらいいよというような、
アドバイスございますでしょうか。

そうですね、哲学で、僕自身も文学部、哲学・思想文化学というところでも、
教員やっていまして。
その中で、科学技術論っていうので、
結構特殊な感じではあるんですけれども、
最近見ているとですね、いわゆる古典的なというか、
皆さん、一般的に思うように哲学の問題集っていうのを、
扱っている人たちもいるし、
またそういう問題を扱いながらですね、
現代の問題、科学とか、医療、倫理だったりとか、
あるいは、最近のLGBTだったりとか、
あるいは、環境問題だったりとかですね、
現代の問題って言うことを、
もうちょっと掘り下げてその考えてみたいな
と。
いうことで、研究している人っていうのも、
かなり増えてきています。

なので、もちろんそういうようなその最先端の現代のものについて、
考える
っていうようなこともありますし、
あるいは、阪大の文学部哲学というところにきて、
面白いなあと思ったのは、

例えば、スピノザっていう哲学者がいるんですけれども、
彼の書いたものとかを読むことによって、
ある種救われるっていう風に感じているんだっていう、
なんかそういうその自分のよりどころになるというか、
自分が物事を考えていく際ですね、 何か一つの手がかりになるような、そのものについて、
もうちょっと古典に振り下げていく
っていうのはパターンもできますし、
あるいはさっき言ったように、
もうちょっと現代の問題ついて、
深く考えてみたり
っていうようなやり方もありますし、
本当にいろんな形からアプローチできるのかなと思っています。

やっぱり哲学って、
もともといわゆるのすべての学問を包含するようなものだったんですね。
それが今は哲学っていう広いものがあった中で、
自然科学って言うもともと、
自然哲学ナチュラルフィロソフィ言われていたんですけれども、
それが、ある意味、哲学の中から、
自立して、独立して、一つの分野になっていって、
その中で物理とか化学とか、どんどん分かれていく

あるいは、他の文系の分野っていうのも、
どんどん新しいものが出ていくっていうような形で、
なんか今、哲学とか思想とかって言うと、
すごく狭いもののように受け止められているのかなと思うんですけど、
本来、哲学、あるいは、倫理っていうのは、
そうじゃないかなと思ってまして、
本当にあらゆる事に興味があればですね、
哲学に行ってみようというのは、
非常に勧められるのかなというふうに思っています。

昔の人のありがたい教えや、言葉って言うと、
宗教も、イメージが近いのかなって、ちょっと思ってるんですが、
宗教学っていうのは、哲学の領域で勉強するものなんですか。

宗教学、キリスト教だったりとか、
いろんな宗教の考え方が、
アプローチについて研究しているっていう人も、
広い哲学の中ではいます。

ただそれも、もちろん思想っていうものを、
本当に深く理解しようとするということもありますし、
批判するためには、ちゃんと理解しなきゃいけない
批判って、すごく日本語でネガティブに受け止められる。

ぶっちゃけ悪口ですよね。

そうなんですよ。
批判って本来は、その主張をですね、もっと吟味、検証して
何か言われて、あ、そうかそのままいいねって、深く考えずに賛成する。
受け入れるんじゃなくて、すごいちゃんと吟味。 ちゃんとこれ、本当にそうなのかないうことで突き詰めていってちゃんと検証した結果、
なるほどこれはちゃんとその信頼できるものなんだなっていうふうに、
納得するっていうことも十分ある。

やっぱり批判って言うのは、別にネガティブなことではなくて
ちゃんとそれを受け入れるためにも、
重要な営みなのかなと思います

まあ批判ということで、日本人ってその議論とかは、
あんまり得意じゃないイメージがあるんですけど、
これは哲学をまあ学んだり、実践するうえでは本来必要ですよね。

そうですね。
あと議論とかがあまり得意じゃないって言われるんですけれども、
それ実際、大学の中で議論していて、
あの授業も、僕の場合、授業の3分の1半分ぐらいはディスカッション。
で、こちらが教えることは、あまり多くはないんですけれども、
やっぱし見ていくと、今までそういう訓練をされていない
経験がなかったっていうだけなのかなというふうに思います。

やっぱり高校までの授業とか、予備校や塾で、
先生がしゃべることを黙って聞いて、暗記して、

受験に突破するんだみたいな、価値観に、
そういう教育だけ受けてきた人ってまだまだ多いと思うんですよね。

そうですね。

これが例えば、先生の大学の哲学の授業で、
そういう環境から、大阪大学の文学部入ってですね、
熱い議論とかできるようになるもんなんですか。

まあ結構できるかなと思いますよ。
僕自身の授業は、文学部でもやってますし、
あるいは一般教養でも、さっきその科学技術論とか、
科学と社会っていうような最先端の問題について、
ずっと永遠に議論をしていくっていうようなものをやってくるんですけれども、
初めはねなかなか慣れないところあるかなと思うんですけれども、
まあやっていくと、どんどん慣れていくというか、
議論っていうののレベルが上がっていくなっていうふうには実感しています。

じゃあ別に日本人だから議論できないとか、そういうことはないという。

そういうことはないと思います。

大学でそういった訓練を受けると、みんな変わっていくと。

そうですね。あと大学って本来そういうところだと思うんですよね。
高校までのその先生が言っていること、
一方的に受け止めるって言うことではなくて、
やっぱし大学っていうのは、教員であろうが、学生であろうが、
同じその知識を探求するっていう意味では、
対等な立場かなというふうに思ってまして、
そこで別にこちらの方が偉いわけではないので、
学生側から、それは納得できないって言われたら、
これはこうでっていうことで本当に議論していく中で、
僕自身も、なるほどそういう見方があるのかっていうふうに、
あるいはそういう発想があるのかっていうふうに、感じさせられたりとか、
その中で自分の考え方っていうのを、
修正したりっていうの機会も結構あったり
します。
なので、お互い学んでいくというか、
議論しながら考えていく、学んでいくっていうのが、
そして知識を生み出していくっていうのは、
大学の一番本来のあり方
かなというふうに思います。

そうしますと、そうやって学生と熱い議論をしながら、
豊中キャンパスから阪急の石橋駅まで、
ずーっと歩いていって、そのまま飲み屋に行って、
またずーっと哲学が熱く語り合ったりしてるんですか。

そうですね。まあ哲学に限らず、そういうことがありますね。
だから、ほんと僕は面白いなと思うのは、
teaching assistantっていう、
大学院生とかに授業を手伝ってもらったりするんですけれども、
その時に、僕はその文学部の授業でも、
できるだけ理系の学生だったりとか、
いろんな分野の、あるいは何人かの文系の学生、
理系の大学院生、両方に来てもらって、
考えていくと、やっぱり別に学部じゃなくてもですね、
こういう問題について考えたい、
あるいは考える中で、やっぱり自分の考えを深めたい
って言うような人達っていうのは、
結構いるんだなと思っています。

この動画をご覧の高校生の皆さん、
これが大学の面白いところで、その高校までの授業と違ってですね、
あなたが本当にやりたい勉強のテーマを、
先生や友達と何時間でも語れる
わけですよ。

スピノザの話何時間朝まで喋ってもいいわけですね。
これが大学なんですね。

この大学のやっぱり魅力というのは、
あなたが頑張って受験勉強して、
突破してたどり着くだけの価値があると私は思います。

きっかけは、著名な哲学者の著書とかだと思うんですけど、 やはり大学に入ると、その憧れてるそのカントやプラトンとかであっても、
批判的に考えたりもするということなんですね。

そうですね。あとぜひ大学入って先生に授業を受けた後、
まあだいぶ先になるかなと思うんですけれども、
授業を受けた後に、直接先生にその話しかけてみたりとか、
ちょっと今のこういうところがわからないというのを聞いてみたりとか、
あるいはここはこう思うんだけどってのことを伝えてみたり。
というようなことをできると、
他の講義の大人数の授業であっても、
だいぶ大学での学生生活の可能性というのは、変わってくるかなと思います。

わかりました。
ところで哲学と倫理学ってのはどういうふうに違うと考えたらいいんでしょう。

そうですね、違うっていうか、
一つの分野として倫理学っていうふうに、
捉えることもあるかなと思います。
倫理っていうのが、特に人と人との関係性だったりとか、
そこでの価値観・価値にかかる問題とかっていうようなことを、
特に集中してそこに焦点を当てて考えるっていうのが、
倫理学ということなのかなと。

哲学がまあそういうこともあるし、
あるいは、もうちょっとその真とは何なのか真実とは何なのかということだったりとか、
あるいは、その科学ってなんなの
科学的な知識ってなんなのかというようなことを、
探求していったりとか。 まあそれを包含するような概念なのかなというふうに思います。

はい、わかりました。
最後の話題になりますけれども、受験生高校生がですね、
大学で哲学やりたい行った時に、
親や先生がですね、そんなものは飯が食えないからやめろみたいなことを言った場合、
中村先生から高校生にはどうアドバイスをしますか。

そうですね、なかなか難しいところではあるんですけれども、
でも本当に今見てるとですね。
ちゃんとその哲学をするっていうことが、
大学に来てですね、ほんとにその物事をちゃんと真正面から考える
それも対象を本当にその絞ってしまうんではなくて、
その先ほど言ったように、いろんなその分野がある中で、
ちょっとこっちでもこっちでもなく、ここっていうことじゃなくて、
森羅万象、色んなものについて考える。 いろんなものにですね、物怖じしない、
アプローチしていくっていう、そういうようなことは、
やっていくことができればですね
結構いろんなところを、今就職活動の中だったりとかでも、
評価されるのかなと思ってます。

哲学カフェというのがありまして、
それはフランスで、そのカフェで、
哲学について、一般の人たちとまぁ語り合おうという、
イベントなんですけれども、それを始めた人はですね、
哲学っていうのは、本来、本を読んでいくことではなくて、
昔のソクラテスだったりとか、
やっぱり街中で一般の人と対話をしていく、
そういう中で、ある意味考えを深めていくようなもんだったんだと。 そういうある意味哲学の原点に戻ったような形でですね、
活躍していくっていうことが出来ればですね、
ほんとにいろんな可能性を広げていく、
広がってくるのかなってと思います。

最近ですと、大阪大学でですと、
あの大阪大学ですと、基礎工学部で、
ロボット、アンドロイドで有名な、石黒先生の研究室とかがありますけども、
あそこでも、哲学、倫理学の研究者がスタッフとしていたりします。

今理系の分野、理工系の分野でも、哲学とかに限らずですね、
人文系の人たちの役割が凄く重視されてきていて
その中でも哲学っていうのは、本来の哲学、
本当に物事についても広く考えていくっていう、
その価値っていうのは、従来になく高まっているのかな。
なのでぜひそういうところでですね、
活躍していけばですね、
色んな可能性が広がってくるんじゃないかなと思っています。

はい、というわけで、
哲学というのは実はそういう広い社会との関わりの中に存在していて、
まあ言い方悪いですけど、
ある意味世の中の役に立つ関係あるんだよ、
ということで今の中村先生の回答ですね、
高校生のみなさんはスマホでお母さんに見せて説得してください。

中村先生、本日はどうもありがとうございました。

ありがとうございました。

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