みなさん、こんにちは。
日本の大学全部行った男、山内太地です。
「大阪大学工学部と基礎工学部はどう違うのか」
という話をしたいと思います。
所詮、私も専門家ではありませんので、あくまでも分かる範囲ということでお許しください。
でも、受験生は気にしていると思います。
大阪大学は、他の国立大学と違って、工学部と基礎工学部があります。
基礎工学部というのは全国唯一の名前です。
他にもいくつか。
例えば東京理科大にもありましたが、名前が変わってしまいますから。
ということで、国立大学に工学部みたいな学部が2つある、どう違うのか。
やっぱり、これは知っておきたい。
本気で志望している人はちゃんと調べていただくとして、まず一番基礎の段階としてこう違うのではないかということを私なりの理解でお話をさせていただきたいと思います。
まず、先に基礎工学部。
くれぐれも工学部よりも基礎しかやっていないということは一切ありませんので、誤解をしないでください。
ここは基礎工学部というか理工学部と言った方がいいのではないかと個人的に思うほど理学と工学の要素が溶け合った工学部です。
工学部の方が歴史は古いですが、基礎工学部が研究教育で劣るということは特にありませんので、基礎工学も大いに目指してもらいたいと思います。
4学科10コースあります。
まず、電子物理科学科。
ここはエレクトロニクスと物性物理化学が勉強できる電気電子系です。大きくは。
でも、一応、電子とか光の勉強ができて、新しい物質を研究するというのが物性物理という分野です。そして、その物質を用いた新しいデバイスを開発するとかそれを統合したシステムなどに発展させるのがエレクトロニクスです。
この勉強ができる。大きくは電気電子系。物性も勉強できる。
とても専門性が高いし、社会の役に立ちそうです。
そういう学科があります。
化学応用科学科。
これは化学の勉強ができるので、高校の化学のイメージですが、合成化学と化学工学という理学部の化学(阪大は理学部もありますから)と違って、化学を研究したことを社会、起業で応用しようという勉強ができます。
システム科学科。
これは、正直、名前だけだと何の勉強ができるのかよくわかりません。
工学の分野ではシステムはよく使う言葉ですが、
わかりやすく言うとシステム科学科は、まず他の大学で言うところの機械工学です。
それから、知能システム学ということで、ロボットとかコンピューター系です。
そして、なぜか生物工学がしっかりできますので、
実はシステム科学科と名乗っていますが、コテコテバイオ系の人もどうぞ。
バイオをやりたい人。
最後が情報科学科これはコンピューターです。
計算機科学とソフトウェア科学と数理科学ということで、応用数学です。
数学やりたい人。
でも純粋に理学部数学科とか数学の先生とかじゃなくて、
数学を駆使したコンピューターサイエンスがやりたいという人がこの学科ということで、この基礎工学部の4学科というのは、理工系。特に工学の分野を横断的にやっています。
その伝統的な工学の枠組みをちょっと横に切ったみたいな感じで、
どちらかというと工学部の方が伝統的で基礎工学部の方が先端的です。
学問分野としては新しい切り口でやっている。
もちろん、伝統的だから古いということではありません。
この基礎工学部は結構面白いよということをお話しておいて。
次が工学部です。
まず、応用自然科学科。
この名前も全国でも極めて珍しいので、名前だけだと何をやっているかわからない。
自然科学というのは理系全般の事です。
理学、工学、農学、薬学から医学まで含みます。
もちろん、そうやっているわけではないのですが、自然科学というのを学科名につけてしまっているために、あまりに広いので中で行われている学問分野を注目してください。
そうしますと、応用化学、応用生物工学、物理工学、応用物理学、物理化学、生物という分野。大きくは。
そのため、高校で物理、化学、生物やっているけど、理学部じゃなくて、それを応用して工業製品とかに生かしたいみたいな人は、この応用自然科学科で化学、生物、物理を応用し ましょう。という学科です。
そして、さんざん応用と言っておいて、次は、応用理工学科という。
また分からない。理工学部がでかすぎるのです、扱う領域が。理工学科って。
この応用理工学科もなんとか無理やり私なりにわかりやすく言うと、ここは、
機械工学です。
機械工学とマテリアル科学と言って材料系です。
あなたは生産科学と言って、機械工学やマテリアル科学を生かして、工場でものを作っていくシステムを勉強する機械工学に関連のある分野ということで、
大きくは機械工学です。
私はここまでですからあとは詳しい方教えてください。
電子情報工学科。
ここはわりとわかりやすいです。
電気工学、電子工学、通信工学、情報システム工学というところで、他の大学とでいうところの電気電子と情報系がやっているということで、ここがわりとスタンダードです。
他の学科がだいぶぶっ飛んでいますけど。
環境・エネルギー工学科。
環境問題をやるのだろうという話ですが、実はここは環境工学もやりますが、原子力です。
原子力っていう言葉そのものを使ってしまうと、
正直、印象、イメージがよくない人もいるからこういう名前になっているかもしれませんが、
もともと原子力の研究は、大阪大学はめちゃくちゃに強くて、すごい研究設備をいっぱい持っていますので。
このエネルギー工学ですね。
環境工学とエネルギー量子工学という分野になっていますが、
「環境問題に興味がある」「原子力やりたい」
なんと核融合も研究できます。
それから、放射線。
そういう分野は特殊なのか。そんなことはありません。
この核融合とか放射線とかをレーザーを使って、医学に応用できるという非常に医学よりの学科です。
医学部はもちろんお医者さんにはなれますが、やっぱり工学が支えていかないといけない部分があると思います。
工学の分野で医療に貢献したい人は割とこの学科は面白いです。
最後、地球総合工学科。
だから大阪大学の工学部はスケールがでかい名前を付けすぎています。
自然科学とか、理工とか、地球かよ。
ということで、地球総合工学科は何をやっているかということで、
分かりやすくいうと
土木です。土木と建築です。
社会基盤工学、それから建築工学ということで。
基礎工学部は建築・土木はないです。
だから建築やるからこっち来るしかないこの地球総合工学科という大きな名前なのですが、
他の大学だと建築土木でまとまって学科になっていることが多いですが、なんと阪大はここに船舶海洋工学がくっついている。
実は海洋工学が強いです。
なので、これはおそらく大学側の理屈です。
他の大学みたいに学部学科の名前がわかりやすくなくて複雑になってしまっているのは、
これは基礎工学部もそうですが、
東大、京大、大阪大学あたりの学者の世界、学問の世界で工学を分けるとこうなってしまうのです。
そのため、他の学校に比べると受験生の皆さんには正直親切ではないですが、
研究は超一流ですから、この面白い名前というか、わかりにくいなと思わないで、きちんと
噛み砕いていけば、機械工学であったり、生物工学であったりといった、ちょっとわかりやすい学問に落とし込むことができますので、色々調べて自分に合っているなんという学科を選んだらいいのではないでしょうか。
頑張ってください。
ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。多くの受験生が、大学受験をする際に様々なことで悩みを抱えています。
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