みなさん、こんにちは。
日本の大学全部行った男、山内太地です。
「これ1冊で世界の全体像がわかる本」
という話をしたいと思います。
国際系学部を目指している人、世界情勢とか政治とか、あるいは哲学、そういったようなこの世界全体はどうなっているのだということに学問的な関心のある受験生の人が多いと思います。国際関係学とかね。
そういう時にどんな本を読んで勉強しておけば大学受験の志望動機ができるのだろうということで、私もいろいろ読書をした中で超おすすめの本があったのでご紹介します。
それは、岩波ジュニア新書の「ヨーロッパ思想入門」です。
岩田靖夫先生という哲学の方が書かれていて、990円とそんなに高くないので、これ1冊読んどくだけで世界全体が分かります。
本当です。
やっぱり大学受験のときの志望動機を考える上で、しっかりいろんな学問を理解する時のスタートラインに立ちますので、ぜひこの「ヨーロッパ思想入門」を読んでおくと大学受験で色々と有利じゃないかなと。
どんな本なのかというと、3部構成になっていまして、
第一部は古代ギリシャ哲学です。
そんなのは興味のある人だけと思うかもしれませんが、皆さん大学入りたいですよね。
今私たちが考えるこの大学というシステム自体は元を正せば古代ギリシャから始まっています。
プラトンやアリストテレスが作った学校、アカデメイアとかリュケイオン。
こういうところから始まっています。
子供のための教育ではなくて、いい大人が集まって学問を探求しようという学校が大学ですから。
それは世界各地にありましたが、今は我々の大学というのは大きくは西洋で誕生した。
その根幹がギリシャ哲学です。
ですから、まずはギリシャ哲学とはどういうものなのかということを理解しておくことが、皆さんが大学で学ぶ上ではどんな学問でも重要。たとえ理系でも。
理系の学問も哲学からもともとは始まっています。
とはいえ「プラトンを全部読め」なんて無茶は言いませんから、
このヨーロッパ思想入門で古代ギリシャの数多の哲学者たちが、だいたいどういうことを考えていたのかというのをざっと知るといいです。
僕個人的にはデモクリトスが好きです。なんとこの人は原子を思いついた人です。
アトモスと言いまして、しかも、原子と原子というのはぶつかるとエネルギーが生まれるというなんと核融合まで予言している、古代ギリシャで。天才か。
ということで、その古代ギリシャの哲学者たちがどんなことを考えたのかというのが最初です。
第2部がキリスト教です。
キリスト教とっていうと日本人の多くは関係がないと思うかもしれませんが、そうではありません。
大学というのは、この古代ギリシャ哲学とキリスト教というのが大きな2つの土台なのです。
日本のすべての大学は、西洋の哲学やキリスト教から生まれた西洋の大学に日本に明治以降やってきて日本の大学の姿になっているわけで、
実はキリスト教というのは、大学というものでは世界共通の教養なのです。
キリストがキリスト教というものを始めたということ。
実はキリスト教よりユダヤ教の方が古いですよね。
キリストもユダヤ教徒です。
ですから、これはユダヤ人の宗教、ヘブライの宗教という大きなくくりの中で、ユダヤ教があって、キリスト教があって、あとからイスラム教がありますけれども、その大きくはユダヤ教とキリスト教というものがどうやって誕生して、どういう中身なのか、特にキリスト教の旧約聖書と新約聖書という2つの聖書の成り立ちと中身について概要がわかる。
大学というものの根幹である古代ギリシャ哲学とキリスト教というものがざっくり理解できるという大変便利な本です。
最後の第3章は、このキリスト教と古代ギリシャ哲学という土台の上にどのように学問が積み重なって大学が誕生し、そして思想史ですね、いろんなキリスト教や哲学者が現れて、次から次へと新しい考え方をそれに上乗せして言って現代につながっています。
第3章はキリストからあとの現代の哲学までも全部紹介するという本当にこれを本にして読んだら大変なことになるものをこの
著者の岩田先生がバッチリダイジェストにしてくれているので、ずっとわかる。
どの辺から始まっているかというと、まずはキリスト教の昔の偉人である、
アウグスティヌスからきています。
あとはトマス・アクィナスとかオッカムとかルターとかデカルトみたいな、我々が歴史で習う。
デカルトまでは歴史みたいな感じですけど、ここから哲学者の大物がどんどん出てきて、カントとかヘーゲルとかマルクスとかキルケゴール、ハイデガー、ニーチェ、最後にレヴィナスまで出てきて終わります。
最近生きていた哲学者まで含めて大きな流れ。
経済学者も入っています。
こういったとにかくいろんな学者が現れては、次から次へと人類の歴史を形作っていったわけです。
この古代ギリシャ哲学、キリスト教、そして現代に至るまでの思想の歴史というものが一冊でわかるのです。
今、世界で起きている戦争であったり、環境問題であったり、あるいは経済の問題であったり、いろんな現代のニュース、皆さんはそういうことに関心があって大学で学問をやりたいと思っているはずですが、その一番根っこの哲学や宗教、そして歴史を1冊で理解できて、将来大学受験のときの志望動機を考える上で最も役に立つ本の一冊です。
ぜひ「ヨーロッパ思想入門」も読んでみてください。
ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。多くの受験生が、大学受験をする際に様々なことで悩みを抱えています。
メガスタ高校生では、受験生の悩みをLINE、電話でもご相談いただけます。
一人で悩まずに、大学受験のプロにお気軽にご相談ください。