みなさん、こんにちは。
日本の大学全部行った男、山内太地です。
「経済学部志望だけど志望動機がない」
という話をしたいと思います。
いろんな学部がありますが、例えば文学部だったら「歴史を勉強したい」「哲学を勉強したい」「夏目漱石やりたい」とか「紫式部やりたい」とか、ちゃんとその大学、学部、学科を目指す理由、志望動機がしっかりしている人が多くいます。
理系であれば「建築やりたい」とか「看護やりたい」とか、あるいは法学部で「政治、法律を勉強して公務員になりたい」とか「弁護士になりたい」など学んだ内容と将来というものをきちんと考えたり、あるいは歴史をやりたいでも信長好きでも構わないので純粋に学問に興味があってということで志望校を決めたりした人も多いと思うのですが、ちょっとここで引っかかるのか経済学部はそこまで考えている人は多くない。
一般選抜であればテストの点数で決まりますから、何となく経済学部志望という人は多いと思います。
なんとなくMARCH、関関同立の経済学部に入ったら、なんとなく良い会社に入れるんじゃないのということで、おそらくはほとんどの受験生は経済学部志望という人は、学問としての経済学のこれがやりたいというところまでしっかり考えていない人が多いのではないかと思います。
高校生のうちから「マクロ経済が好きで、好きで」とか「計量経済がやりたくて」なんていただいたら逆に僕は会ってみたい。
東大志望でもそういう人が本当にいるのか分からないですね。
ということは、逆に考えてほしいです。
チャンスじゃないですか。
要は、他の受験生は経済学のこんなことがやりたいということを具体的に考えてないわけです。ほとんどの人が。
あなたがしっかり経済学部の志望動機があれば、総合型選抜ではトップ大学の経済学部に挑戦できるじゃないですか。
国立大学や早慶といったところの一般選抜の点数の競争では難しくても、
総合型選抜で面接や書類選考、あるいは小論文でいかに経済学をやりたいかということをちゃんとPRして、トップ大学に合格する。
この逆転技を使うために経済学の志望動機をちゃんと作りましょう。
どうすればいいか。
経済学史における伝統的な名著をちゃんと読むのです。
ということで、まずは経済学の父、アダム・スミスの国富論を選んでください。
私は3ヶ月かけて全部読みました。
もちろん昔の本ですから現代の経済のことがわかるわけではありません。
でも、哲学と同じでとにかく最初のプレーンな状態。
それをまずしっかり知っておくという点でアダム・スミスの国富論を途中で放り投げないで最後まで読んでください。
私も3ヶ月かけて読んだのでやればできます。
3ヶ月かけて読んで、ひと言で言うとどういう本なのかと言われてもうまく説明できませんが、頑張って経済学と格闘したぞというそういうものは何か残りました。
経済学というのは人を幸せにするための学問です。
それを勉強することで「私が」「僕が」お金持ちになろうではありません。
そんな経済学者がたくさんいたわけじゃない。
大事なことは学問としての経済を研究することで社会を豊かにする。
特に歴史上の経済学者は貧しい人たちや困っている人たちをどういうふうに救おうかということを一生懸命考えて、たくさんの経済理論や本を生み出していきました。
その1番のスタートラインがアダム・スミスです。
あとは調べればいろんな経済学者が現れますが、次が、マルクスの資本論ですね。
ただし、このマルクスの資本論はあまりにも多すぎて、大人でもちゃんと読めません。
ですから、幸いなことに漫画であったり、入門書であったり、新書といったような解説本はたくさん出ていますから、正直入門書で構いませんから、アダム・スミスのあと、マルクスという経済学者が現れて資本論という方を書き世界をなんとか救おうと思って頑張ったということは知っておいてください。
次はケインズですね。近代経済学。
この人は「雇用・利子および貨幣の一般理論」というのがこの人の代表的な本ですが、これも全部読めるという人はなかなかいないと思います。
すいません。
私も買っただけです。
漫画でも読みましたが、全部理解しているとは言い難い。
ただし、現代の各国の経済において、このケインズとライバルのハイエクという経済学者が提唱した理論は、実際の政治や経済で生かされています。
そのため、少なくとも経済学部志望であれば、マルクス、ケインズ、ハイエクの名前だけは知っておかないと経済学部に入ってからやばいです。
少なくとも先生方は皆さんよく読んでいらっしゃるので。
あとは、これらは全て伝統的な経済学の歴史の中でなんとか世の中を良くしようと経済学者たちが頑張ってきた過去の実績で、今、現在、皆さんが生まれてから高校生になるまで日本の経済ってどんどん悪くなっています。
大変残念ながら。
これをどうやって救ったらいいのだということで、いま起きている世界経済の問題ということに取り組んでいるのがピケティです。
この人の21世紀の資本という本が出ています。
これも大変なので入門書からで構いません。
でも、重要なことはアダムスミスからピケティに至るまで、経済学者たちが世の中をよくするために頑張ってきたすごい学問の積み重ねがあるのです。
あなたが経済学部志望だったらその最先端をあなたが歩いているのです。
歴史上の経済学者たち。
もちろん日本人もいます。
そして大学で経済学部を学ぶことであなたが世界を救ってください。
世界経済で困ったことはいっぱい起きています。日本でも。
そのためにはまずこのアダムスミスから始まるいろんな経済学者。
そして実際にその経済学者の提言が政治で生かされています。
これをどういう流れに位置付けて、その中であなたがどの分野を勉強したいのかという話になります。
まず根本の理論がやりたいのだったら、
ミクロ経済学、マクロ経済学、数理経済学といった分野になりますし、
理論を実証するのが計量経済学や実験経済学、そして経済史ですね。経済の歴史を学ぶ中で理論を立てて実証してきたことが正直大失敗することが多いのです。
マルクス経済と社会主義ですね。成功したとは言い難い。
さらに、これらの経済の議論を応用した学問分野として、政治経済学、国際経済学、金融、人口経済学、環境経済学、農業経済学、開発経済学、医療経済学、教育経済学、行動経済学、実はこの応用に関しては、皆さんもけっこう名前聞いたことがあると思います。
開発経済であれば開発途上国の問題だし、行動経済学というのは経済学の理論通りには人間は行動しない、心理学の要素が入ってきますね。また人口・金融政治などこの社会で起きている問題と経済を結びつける。
ということは、この応用の分野はわりと皆さん、興味があったり、面白いと思うこととつながっています。つまりこの応用分野から、まずは「私が」「僕が」興味があるのは経済学の中のこれだというものを決めて、それときちんと議論を踏まえていく。
その上で「だから私は経済学でこれを学ぶことでこの問題を解決したい」
そうすれば志望校に行きたい理由必ず決まるはずです。
ということで、経済学部志望の人、経済学を高校生のうちから入門編だけでも勉強しておくことで、しっかり志望動機を作れば、総合型選抜でトップ大学に挑戦ができます。
経済学はとても面白い学問ですね。
是非がんばってください。
ありがとうございました。
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