みなさん、こんにちは。
日本の大学全部行った男、山内太地です。
今日はご質問を頂いています。
「早稲田大学の社会科学部と慶應義塾大学SFCの総合政策学部のどっちがいいか悩んでます。」
分かります。
どちらも政治・経済・ビジネスといったような学問を幅広くできそうな学部ですよね。
両方受かって、どちらに入るか悩む受験生も多いと聞いています。
両方受かって、どちらに行くか悩むというのは、嬉しい悩みですけどね。
なので今日は皆さんに、どう違うのかという話をしたいと思います。
まず、早稲田大学の社会科学部というのは、
政治経済学や商学や法学をトータルで全部勉強できます。
元々ここは、政治経済学部と商学部と法学部の夜間部だったものなので、
早稲田大学の他の学部でやっていることを総合的に幅広くできるのが社会科学部です。
大きくは、政治・経済・商業・法律ができ、それだけではなく文学人文系もできます。
他にも、情報・語学・自然科学といった幅広い教養の勉強ができます。
こういったことに興味ある人というのは、世の中の社会の問題に関心があります。
早稲田大学の社会科学部というのは、政治やビジネスや経済など、
社会の問題を解決する時に、学問から入るのです。
政治学や経済学や法学や商学といった伝統的な学問の切り口から入って、しっかり学び、
社会の問題を解決していくことが早稲田大学の社会科学部です。
一方、SFCの総合政策学部は政治学や経済学や商学といった伝統的な学問からは入りません。
専門分野を見ると、政策デザイン・社会イノベーション、
国際戦略・経営・組織・都市・地域戦略となっています。
これは政治学、法学といった伝統的な学問の枠組みではなく、
起きている問題から入って社会の課題を解決します。
都市や国際政治で起きている問題や企業が経営戦略を練ると生まれる課題に対して、
その問題をどのようにして解決していくかという起きている問題の方を学問より優先します。
起きている問題を解決するということは、どちらも同じです。
それを伝統的な学問から入って解決したいのか、
起きている問題そのものから入って解決したいのかということで
早稲田の社会科学か、慶應の総合政策かという選択肢が変わってきます。
もちろん好き好きですが、それぞれメリット・デメリットはあります。
まず、きちんと学問から入る社会科学部の方が伝統的な学問の蓄積があります。
政治学はプラトンの頃から存在するので、人類が培ってきた伝統的な学問をよく踏まえた上で研究ができます。
ただし、気を付けないといけないのは、机上の空論になることです。
要は、現実に起きている社会の問題ではなく、あくまで学問的な議論で終わってしまうことです。
そうではない場合もありますが、気を付けないと
学問をやりましたというだけで終わってしまいます。
一方、SFCの総合政策の場合は、起きている問題から入っているので、
課題解決面では申し分ないですが、学問的な根拠が薄くなることがあります。
要は、取り組んでいる問題を伝統的な政治学や経済で考えるよりも
とりあえず目先のものに飛びついてしまうタイプの学生がどうしても多くなります。
気を付けないと、目の前の課題には取り組んでいるが、根拠となる学問は怪しいとなりかねません。
もちろん皆が皆そうだとは申しません。
同じような学問を扱っている社会科学部と総合政策学部ですが、
糸口と切り口といった、引き継いでいる伝統部分がだいぶ違います。
どちらが良い・悪いではありません。
それぞれ良さも欠点もあるということです。
なので、あなたにとってはどちらが良いかということをよく考えて、
2つの学部から選んでください。
ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。多くの受験生が、大学受験をする際に様々なことで悩みを抱えています。
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