はい、みなさん、こんにちは。
日本の大学全部行った男、山内太地です。
今日は武蔵大学、国際教養学部長の
東郷賢先生からお話をお伺いしたいと思います。
先生、どうぞよろしくお願いします。
こんにちは。
武蔵大学の東郷賢と申します。
今日はよろしくお願いします。
※以下東郷先生青文字表記
先生、経済学ご専門だと思うんですけれども、
私、ずっと疑問だったのが、高校生が大学を選ぶときに、
例えば、歴史が好きだから文学部史学科に行くとか、
建築やりたいから建築学科行くっていうのは、はっきりしてるんですが、
経済学部を選ぶ高校生って、はっきり言って、
適当に選んでるんじゃないかと思うんですよ。
そうですね、私もそう思いますね。
東大学部志望だったって、私マクロの経済が好きで好きで、
なんていう高校生あったことないですね。
そうですよね。
はい。なのでなんとなく経済学部っていう風に、
毎年何万人もの受験生が経済学部を選んでいると思うんですね。
はい。
このそもそも学問としての経済学、
僕もそうだったんですけど、なんとなく面白くなさそう、
という理由で、志望学部から外してるんですよ。
はい。
これをですね、さすがにいいのかなと思いまして、
そもそも経済学って、何か面白いのということをですね、
経済学をたっぷり学ばれた先生の方から、
高校生の方にわかりやすく、お願いいたします。
はい。どうもありがとうございます。
じゃあちょっと、回り道になるかもしれませんけど、
お話しすると私もともとは、
文学部美術史学科だったんですよね。
はい。文学部に入ったと。最初は。
そうなんですよ。それで、就職する時に色々考えて、
まあ世の中で役に立つ仕事したいなと思って、
大学時代、途上国とか、旅行とかしてたもんですから、
そういえば、途上国の人たち貧しいなと思ってですね、
なんかこう助けることできないかなと思って、
そしたら友達が、お前それは経済学を勉強するとそういうことがわかるようになる。
と言われて、そんなもんかと思って、
経済学科にですね、学士入学したんですね。
で、やっぱり経済学勉強してみると、確かにそうだなと思って。
経済学っていうのは、一言で言うと世の中の仕組みを理解できる。
で、理解する学問だと思うんですよ。
で、そういう意味だと世の中どうやって動いてるんだろう、
というのが経済学を勉強すると、よくわかる。
で、まあ経済学自身はですね、
ミクロ経済学・マクロ経済・経済統計っていうのが基礎になってまして、
このツールを使っていろんな分野を研究する。
僕の場合は、開発経済学ですけど、
途上国なんで、貧しいんだろうかみたいな話を、
まあミクロ経済学とか、マクロ経済学のフレームワークとか、
経済統計の手法を使って、
分析していくということなんですね。
で、あの分析していくと、論理的にですね、
問題点がわかるってことで、まあ具体的にちょっと例を挙げますとですね、
例えばマクロ経済学だと、世の中をですね、
3つの主体に分けるんですよね。
マクロ経済学って、日本の経済を全体を、
こう分析するものなんですけど、
そうすると、日本の経済いろんな人がいていろんなことやってるけど、
要は突き詰めて考えると、企業と家庭と政府の3つの主体だよね。
で、そうすると家庭の人は、企業に働きに行って、
お金もらって、そのお金を使って、企業からもの買って、
でそこでお金と、もの交換してるみたいな。
あとは政府って、税金払って、公共サービスを受けるよね。
例えば僕たち公立の小学校とか。小学校とか行くと、
そういうただで勉強できるみたいなのは
そういうところだと思うんですよね。
で、こういう風に世の中のなんか複雑なところを、
できるだけわかりやすく、もう簡潔なもので表して、
そうやって世の中どうなっているっていうのを分析するのが経済学かなと思います。
これ財務省のデータなんですよね。
債務残高のデータで、日本のGDPって500兆円あって、
あの普通の債務残高って、あの日本の国債の残高って、1026兆円あると。
500兆円の2倍あるって話なんですけど、
地方政府も入れると、GDP比で日本の256%債務がありますねみたいな。
で、カナダとかは109%でこんだけ債務残高高いですよみたいな。
けど、同じ財務省のデータでこの貸借対象表っていうのがあるんですよ。
でこれ見ると、負債残高1258兆円っていうんで、
で資産が、674兆円なんですよ。
だから確かに負債は、GDP500兆円の2倍ぐらけどいあるんですけど、
資産が、他の国に比べて桁違いにでかいんですよ。
つまりいっぱい資産持ってる。
ですと、借金っていうのは、583兆円だから、
GDP500兆円の1.1倍とか1.2倍とかなので、
カナダと同じぐらいのレベルなんですよね。
つまり経済学とか勉強してなんか突き詰めて、
論理的に考えるということをやると、
こういうこともわかるようになりますし、
あとGDPのこの水位ここ10年ぐらいこういう推移してるんですけど、
これ株価なんですけど、この10年前8,000円ぐらいだったんですよね。
これが今2万8000円ぐらいになってて、
で、この辺見ると何がわかるかっていうと、
為替レートと株価ってほとんど一緒に連動してんです。
円安になれば株が上がるんですよね。
この辺ぐらいからちょっと違った動きになってて、
要は何が言いたいかっていうと、この10年間、
GDPはほとんど伸びないのに関わらず、株価は3倍以上になってる。
で、こういうのがなんでだろうという風に考えていけるのが、
経済学を勉強した面白い味みたいなところなんですけど、
経済学の面白味って、これデータを見ながら自分でいろんなこと考えて、
これどうなってんだろうなとかって、自分で考えることだと思うんですよね。
これは面白いです。
経済学を勉強するとお金持ちになれるんでしょうか。
お金持ちになろうと思えばなれると思いますけど。
ちゃんと勉強しないとダメですね。
おお、ちゃんと勉強すればなれるんですね。
なれると思いますね。
少なくとも、さっき言ったあの2番目のいいところなんですけど、
論理的に物事を考えられるようになるってすごく良くて、
で、そうすると人生で誤った選択をあんまりしないということがあると思うんですね。
あとですね、経済学と経営学の違いがさっぱりわかりません。
経営学って、やっぱり会社の経営の話なんですよね。
で、経済って、例えばマクロ経済学だと、
じゃあ皆さんが将来どうやって使うのって話になった時に、
会社に入って、自分の作ってるものが将来売れるかどうか、
これ景気が良くなるか悪くなるかで、
売れるかどうか決まってきますよね。
で、そうすると今政府が取ってる政策だと、
景気は良くなるだろうかみたいな話が、
自分で分析できるということがありますね。
あとですね、経済学部の卒業生ってすごく銀行に、
たくさん就職してるイメージがあるんですけど、
経済学と銀行というのは相性がいいんでしょうか。
いいと思いますね。さっき言いました通りに、
銀行っていうのは、お金貸して儲けるんですけど、
要は景気が良くなると思えば、お金借りる人いっぱい出てくるわけですから、
その景気の見極めを、銀行員自身ができるというのは、
すごく大切なことだと思うんですよね。
一方で銀行の仕事ってあんまり面白くなさそう、
と思ってる人も多いと思うんですけど、
実は僕、大学行ったあと、政府系の銀行にもいたんで、
銀行員もやってたんですけど、
職種にもよるとは思うんですけど
、
配属そういった部署によって、ずいぶんと仕事が違うので、
この辺は、まあ一律には言えないかなとちょっと思いますね。
はい
これから銀行員の仕事をあまり面白くないんじゃないのとか、
あるいは、経済学部出ると、銀行に勤めるでしょみたいな話があります。
けど、ちょっと変わってきてると思うんですよね。
で、今銀行ってずいぶん採用する人が減らしてきてまして、 そうすると人があんまりいらなくなってくるわけですよね。 はい。そうしますと、やっぱり高校生の時に、 それはとても良い質問をいただいてですね、 入試でですか? はい。そうなんです。やはりこれからは、 うん。 だから教科書が、十分にできればそれで十分だと思います。 先生の国際教養学部の、経済経営専攻は一般選抜で数学が必修なんですね。 そうなんです。 世の中のほとんどの経済学部の私立大学は、数学いらないんですけど、 実は、もう変わってきてまして、 じゃあ高校で、文系クラス理系クラスって分けられちゃうんですけど、 もちろん、十分だと思うんですね。 実際、その銀行以外で経済を学んだ人って お役所とかが、例えば国家公務員とかですね 大学の名前で落とされる学歴フィルターってのはあるんですか。 私は採用する方じゃないんで、学歴フィルターあるないっていうのを、 少なくとも、武蔵大学の名前で学歴フィルターで落とされることは、 はい、よろしくお願いします。 ということであとですね、 それ結構難しいご質問なんですけど、アメリカの大学に入るとですね、 というわけで、マンキューの経済学見ましょうと、 そうなんですよ。そうそうそう。 ハンマーぐらいの本なんで、あ、僕は経済はちょっとみたいな。 あ、凄いですね。 ほぼ忘れました。はい。お恥ずかしい話で。 いえいえ。経済学って、あのちょっととっつきにくい学問なので、 いきなりマルクスとかケインズとかに挑むっていうのは、 そうですね、まあいろんなタイプの勉強の進め方あると思うんですけど、 なるほど、これ、夏目漱石を読むとか、 そうですね、大学で勉強する、まあ必然性みたいなところですけど、 そうですね。 やっぱり大学で、先生に勉強を教わるって事は、一人で勉強すると 正直、こう著名な経済学者の入門書みたいな本って、 その質問がすごく面白い質問なんですけど、 正しくないですか? 教科書には書いてあることっていうのは、 はい。 教科書って、こう版を重ねていくごとに、 なんかあの自然科学や歴史学が進歩していくみたいですね。 全く経済学って、社会科学で。一応サイエンスだと僕は思ってるので、 というわけで、ご覧の皆さん、あのなんとなく経済学部、 ぜひですね、興味のある方、経済学、 先生、本日はどうもありがとうございました。 どうもありがとうございました。 いかがでしたでしょうか。多くの受験生が、大学受験をする際に様々なことで悩みを抱えています。
それはITによって、今まで人がやってた仕事を、
コンピューターができるようになった
ので、
あとは例えば、具体的に話しちゃうと、
銀行って、振込手数料とかでも結構儲かってたのが、
LINEとかで送金ができるようになっちゃうと、
儲かる口がなくなってくるみたいなところで、
将来的にはずいぶんと変わってくると思うんですよね。
でむしろ経済学でさっきのメリットの3のところですけど、
データ分析ができる。これは僕が大学に行ってた頃は、
あんまりそうでもなかったですけど、パーソナルコンピューターが、
ずいぶん普及するようになって、統計ソフトっていうのが普及して、
あと皆さんが、例えばプログラミングとかできるようになってくると、
これを使ってデータ分析をして、経営を判断する。
これがホワイトカラーの仕事になってくるんだと思うんですよ。
だからそうすると、経済学部でデータ分析の能力を身につけるっていうのが、
これからホワイトカラーで仕事をしていく上で、
一番重要なポイントだと思うんですね。経済学部に入るには数学が出来た方がいい?
数学ができた方がいいですか。
私の経済経営専攻だと数学を必須
数学はできた方がいい
私アメリカ大学の大学院にいたんですけど、
まずは日本の高校の数学は結構難しいです。
日本の大学入試の数学の問題っていうのは難しすぎると
、
私は思っていて、教科書の演習問題ができれば、
十分に大学に入った後に、勉強すればデータ分析もできますし、
世の中で活躍できると思ってるので、
大学入試で数学選択するっていうのを
、
やっぱりちょっとおっかないとかあるじゃないですか。
そのできるかできないか、ちょっと問題見てみないとわかんないみたいなところで、
だから、ああいうのがマイナス影響だなとは思ってるんですけど、
これは大丈夫なんでしょうか。
例えば、早稲田の政治経済学部が、数学入れたりとか、
東洋さんも、確か経済学部が入れていると思いますけど、
やっぱり経済学っていうのは、数学を使ってやる学問のものですから、
数学の知識を大学に入ってからっていうのは、
かなり厳しいと思うんですよね。
そんなに難しいところまでやんなくていいんですけど、
普通にBぐらいまでは、教科書の演習問題ができるっていうのが、
一番重要なことだと思うんですけどね。
文系クラスで、数Ⅱ・Bまでやっておけば経済学は耐えられると。経済学部が活躍している分野とは
どんな分野で活躍してるんでしょう。
それで経済職っていうそういった職業はありますので、
そういうところに入る人は経済学を使ってっていうのがありますよね。
あと先ほどお話したみたいに、銀行で、例えば、
その景気の動向を分析したりする仕事っていうのは、
経済使いますし、あとそのデータ分析って、実はですね、
最近その経営学の方でも、非常に使われているようになってきて、
だから、経営分析もですね、統計学の知識を使って、
分析したりしてるんですよね。
だからそういう意味だと、その企業に入っても、
今ITとかで、最先端の企業だと、データ分析っていうのが、
かなり主要になってきてますね。
日本の企業はあんまりそうじゃないですけど、
外資系はかなり。もうデータアナリティクスが、
非常に重要なパートになっていると思います。
こういった分野の勉強をしてると、おそらくまあ経済とか、
まあ外資系とか、名のある会社に就職したがる人もいると思うんですけど、
断言できる立場じゃないんですけど、
おそらくなくはないんだろうなと思いますね。
ただ、逆に言うと、それでフィルタリングかけてて、
最適な人材が取れるのかなっていう疑問はいつも思ってますね。
私のところの経済大学専攻だと、英語で授業とかしてて、
ロンドン大学とか取れるんですけど、
やっぱり外資系に入る人が多いんですよね。
大学とかそういうことではなくて、何を勉強してきたかというところで、
評価されるのは、外資系の方が多いのかなっていうのが、率直な意見ですけど。
なさそうでございますのでね、現在の皆さん安心して入学していただくと。
経済学を高校生のうちから勉強しておくには、
どんな本を読んどいたらいいとかありますか。
経済学の教科書ってこんな分厚いんですよ。
で、すごい重たい。アメリカの教科書っていうのは、
全く知識のない人が、読んでっても一人でわかるように書いてあるんですね。
名前を言うと、マンキューっていう人が有名だったんですけども、
ああいうのを読んでいくと、経済学ってこういうものなのかなって、
いうのがわかると思いますね。
私も本屋さんで手に取ったことはあるんですけども、
鈍器のようなデカさんなんですね。
なんとかですね、アダムスミスの国富論は全部読んだんですけど、
まあその教科書を一人で読んでも、
まあマンキューとかだと分かりやすいかもしれないですけど、
他の専門書みたいな読んでも、
多分難しすぎてちょっとわかんないことが多いんじゃないかと思うんですよね。
なので、まずは大学に入って、あるいはその高校の時に進学先を選ぶときに、
そういうマンキューみたいな、教科書を読んでみて、
まあ本屋さんで立ち読みして、あ、なんか面白そうだなと思えば、
そういう風のを考えてみるのもいいんじゃないかと思います。
高校生には無茶ってことですか。
難しいところのなんか高い壁に、いきなりぶち当たって、
それをこうよじ登っていける人はいいですけど、
やっぱりあのできるだけ小さいハードルから超えていった方が、
高いところに飛べるようになると思います。
デカルトを読むとかとか、違う苦しみがやっぱり経済学ってあるんですかね。
自分で本読んでわかることだったら、
自分で本読めばいいじゃないですか。
多分なかなか理解できないところを、わかってる人に聞くというところは、
すごい重要だと思うんですよね。
だから大学で勉強するものって、
自分で本読んでわかるようなことではなくて、
本読んで、ちょっとわかんないなと思っていることを、
先生の指導のもとに、分かるようになるっていうのが、
すごく価値があることじゃないかと思いますけどね。
たくさん出てるんですけど、
それをざっと見ただけで分かった気になるのは、
ちょっとやっぱり危ないなってことですね。
教科書に書いてあることが、正しいと思う人がいるんですよね。
その現時点で正しいと思われることが書いてあるんですよ。
内容が新しくなってたりするわけですね。
特にアメリカの教科書なんかそうなんですけど、
経済学も、もちろん進歩しているので、
出てくる内容が変わっていくわけですよ。
つまり、今まで正しいと思われたことが、そうじゃなくて、
こうなんだみたいな新しい学説が出て、で、それが付け加わる。
だから経済学の教科書読んで、経済がこういうものだと思った瞬間に、
経済学の進歩は止まっちゃうわけですよね。
そうじゃなくて、経済の教科書に書いてあるものを、
読んでみてこれ本当なのかなと思って、考え始めると、
経済学の研究になるし、経済学が進歩することになるんです。
なので、やっぱり今まで言われてたことをデータで検証したら、
あ、違いましたね。なので前に進んでいく。
で、新しい社説が出てきて、で、それをまたデータで検証して、
前に進んでいく。こういう進歩を遂げている学問だと思いますね。
っていう風に選んでる受験生の方まだまだ多いと思うんですが、
せっかくの機会なので、そもそも経済学って何だろう。
どうして面白いんだろうってことちょっと考えて調べていくと、
皆さんにとってですね、なんとなくじゃなくて、
本当に経済学部、経済学って面白いんだなっていう、
こう何かきっかけがつかめるんじゃないかな。
というふうに先生と話しながら感じました。
高校生のうちからいろいろ調べてみてください。
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