みなさん、こんにちは。
日本の大学全部行った男、山内太地です。
本日は名古屋大学教育学部教授の内田良先生から
お話をお伺いします
先生どうぞよろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
※以下内田先生青文字表記
今ね僕が一番時間的に研究で取り組んでるのは、
「教員の長時間労働の問題」
もうそれは今本当に危機的な状況になっていて、
それはね単に長時間労働で教員が倒れるってだけではなくて、
土日に部活動だとかいろんな教育の準備で潰れるっていうのも
これやっぱり大人の生活として全く良くないんですね。
土日はやっぱり休まないと。当たり前のことだけど。
でそれができていないっていうのは、
現実のところ学校の先生たちなんですね。
そういう情報が今たくさんありますから、
それを懸念して心配して、
教員になりたいと思っていた大学生が、
最終的には教員にならない、教職を選ばない
という風なことをもう現実には起きてるのは確かです。
それは僕は決して隠すつもりはなくって、
隠すとずっと同じことが続くんですよ。
それはだって見えないし対策も立たないからですね。
だからこの、長時間労働ってね見たくないって言うんだと、
言うんだと、結局変わらないの。
だからまずはどんなに酷いことでも、
1回みんなで見て考えるっていうプロセスを経ないと良くならない。
蓋をすれば、私たちも皆さんも同じ状況の中に
入ってくだけだから、
まずは見たくないではなくて見ましょうっていう。
それは教育学問の教育でも、そして教員養成の方に皆さん行ったとしても、
見るということなんですね。
みんなが見れば見るほど対策は立ってきます。
僕が今までリスク研究やっていて、
間違いなく約束できることです。
みんなが蓋をすれば同じ状況が続きあるいは、
もっと悪くなってくる。
蓋をせずにみんなでこうだよねって、
おかしいよねって考えて自分なりに声を上げていったり、
自分なりに何か分析をしたりレポートを書いたり、
そういう中でみんなが少しずつ考えが広がっていって、
世の中が変わっていくことになるんですね。
だからまずはしっかり見ましょうっていうこと。
これがとても大事なこと。
そしてみんなが真剣に見ていけば見ていくほど、
きっと長時間労働は解消されて、
正直に言えば来年解消されると、僕は全く約束できないです。
それは科学者として、そんなことはとても見通しが立たない。
でもみんなが一斉に考え始めたら、
10年先のことが1年ずつ早くなっていくの。
ここなんですよ。
みんなが仮に一生懸命勉強して働き方のことをね、現場に入っていく。
そしたら他の同じ世代で入ってきた人たちも勉強してるんでしょ。
そこで一緒に議論してなんかやっぱ今の学校ここおかしいよね、
とかって言いながら。
もしそれがね、会議の場で若い人が続けて、
僕も思います、私もそう思いますって会議の場で手をあげたら
多分年上の人たちも、なんか結構若い人たちだいぶ考えが違ってきて、
時代が変わってきたのかもなって真剣に考えますよ。
でもそれが誰もやらない1人ぐらいが、
ちょっと違和感持ってパッて言うと、
まあまあそんなの例年通り頑張りましょうって
抑え込まれるんですね。
だからみんなで考えていって
それを学校の中に持ち込んでいくんですよ。
そうしたら結構学校の中ってのは変わっていくだろうなって、
10年先のことを少しずつ縮めていくためにも、
みんなで勉強していきましょうっていうのは僕からのお願いです。
先生大変よくわかります。
一方で私がいろんな高校にお邪魔してると、
若い先生とか改革派の先生が何かやろうって言うと、
年配の先生や下手をすると教頭・校長先生
といった管理職の先生に反対されて、
その全然学校が変わらないっていうの
すごく聞くんですけどどうしたらいいんでしょう。
その時に僕は申し上げてるのが、
実はね学校の先生って、
内心はもうこんなのさすがに土日潰れるの嫌だとか、
厳しい校則いらないんじゃないのだとか、
卒業式の練習こんなにやらなくていいんじゃないのって
結構内心で思ってる人って思いのほかいるんですよ。
それを言わないの遠慮しちゃって。
だって卒業式の練習もあるいは校則の指導も、
表向きは子供の為ってなってるんですよね。
教育なんですよ。
教育をやめるっていうのは先生たち選べないんですよね。
教育者としてそういうところで違和感があるのに踏み込めない。
でも実は逆に言えばいろんな人たちは違和感持ってるんですよ。
だから僕がさっき言ったみたいに、
みんなちょっとモヤモヤしてるんだと、
であればぜひ自分に近そうな人ですね、
感覚的近そうな人で声をかけてくださいって言ってます。
そうするといや僕も同じこと思っているんだよねって答えてくれるはず。
そういう中で同じなら、一緒にもうちょっと考えようよって言って考えて、
そして会議の場で続けて発言するっていう、
そこまで計画を練った上でやるっていう事。
あーなるほど。
1人でモヤモヤと思っていると会議でも怖くて手を上げれない、
上げたところで他の人がつながってこないっていうことなので、
まずは何人かの人はきっと同じ思いを持っているということね。
ぜひその繋がりを作ってくださいっていう風にお伝えしてます。
そのためにも大学の勉強が生きるんですよ。
現場に行っちゃえば正直タブーなことが山ほどあるの。
でも大学は学問の場だから、学問ってやっぱ強いんですよ。
タブーないから。
そこでしっかり学問の土台を築き、いろんなデータも勉強して、
ここはおかしいよねってことをみんなが考えてたら、
もしかして職員室の中も本当に
みんな静かにしてるって事もないかもしれないですよね。
平気でここおかしいよねって声に出せるかもしれない。
今の段階でそれができていないから、
まずはみんなで大学でしっかり学んで、
その人たちがもし教職につくことがあれば、
本当に世の中変わっていくの早いんじゃないのかなって思ってます。
だから決してなんか変わらないっていう風にね、特に先輩からね、
強いこと言われた時なんかもう諦めちゃうんだけれども、
ぜひ特に若い皆さんはねこれからみんなで変えてこうって、
自分1人はとても力足りないけど
みんなで変えてくっていう風なそういった思いで
ぜひ未来に希望を持ってほしいなって。
そのためにも僕も高校生あるいは大学生と一緒にね、
変えていくためのいろんな技法っていうのも学問として考えてますので、
そこら辺みんなで共有できるといいかなと思ってます。
高校生のうちに教員を目指す人が、
何かやっておいて欲しい事ってありますか。
教員を目指す人ね。はい。
僕は教員を目指す人たちに考えてほしいことは、
特に高校生の場合はですね、
素朴に教員になりたいなっていう気持ちだと思うんですね。
中学校の時の先生がすごく自分に良くしてくれて、
これで何か学校が好きになったんだとか、勉強が好きになったんだって、
だから教員になりたいなっていうそういうふうな思いを持ってる人が多い。
だから教員になっていくってことなんですね。
でそれと同時にやっぱり今いろんな情報が出てます。
学校の中には体罰問題の情報も頻繁にネット上に出てるし、
長時間労働の問題もまあネガティブな情報がとっても多いです。
でもそれは教育を叩くためにやってるんじゃないんですよね。
より良くするための情報だっていう風に前向きに捉えて、
そこに蓋をせずにちゃんと見ていくとで、
みんながそういう風にリスクの問題、
子供のリスク先生のリスク問題をちゃんと
受け止められるようになってくると、
本当世の中早く変わっていくと思います。
リスクってね僕がいつも感じるのがね、
体罰の問題でもいいし教員の長時間労働でもいいし、
僕は巨大組み体操の問題も大きすぎるっていろいろ言ってきたんだけど、
そういうリスクの問題言うと、
みんなうるさいって言うんですよ。
俺たちは楽しくやってんだとかって、
あるいはこれ教育として大事なんだって言って見なくなるんですね。
見なくなるっていうのがもう本当に一番危険で、
だから皆さんはぜひ少しずつそういったものを
ちゃんと受け止める力を今のうちから、
ぜひ考えてほしいなと、身につけてほしいなと思います。
はい、ありがとうございます。
最後の質問なんですが、
先生、何で髪が赤いんでしょう。
ははははは。
なんて言う質問用意してるの。
多分この動画見てる人全員突っ込むと思いますんで、
これだけは避けられないと。
いや、びっくりした。
答えられない事情があるなら深入りしませんので。
全然全然、あのね本当に
最後に本当良い質問持って来てくれた。
それはなんでかって
多分皆さんね教育学の専門家が喋ると、
さあどんなやつが出てくると思ったら、
なんじゃこいつって思ったと思うんですよ。
直感的にはね、何この人って。
でも僕はそれを狙ってます。
つまり僕はちゃんとお互いに対話しませんかって、
その人の見た目で判断してもダメだって。
特に学校教育の世界っていうのはこういうの大嫌いなんだよね。
こんな髪型してきたら、髪色してきたら、
もうお前の話聞かないっていう。
でもその子だって考えてることはあるかもしれないじゃん、
もしかしてその子の方が正しいこともあるかもしれないじゃん。
そういう風にこの見た目あるいはその人も男か女かとか、
あるいは日本籍なのか外国籍なのかとか、
そういう人たちがいろんな持ってる属性だとか見た目ってあるわけですね。
それで人を判断してもう評価しちゃって、
話聞かないとかじゃなくて、
ちゃんと話ししましょうっていうのが広く僕の目的としてあります。
特に高校生の皆さんにはもうこの時点で、
なんじゃこいつって思ったと思うんですね。
僕はその力をすごく大事にしてほしい。
つまり僕も今回いろんなお話をしました。
けれどもこれ全部正しいと思わないでねって、
僕こんな人間だよ、信じないでねっていうのが僕からのメッセージです。
僕が言ってることを1回考えてくださいって、
本当に内田の言ってることは正しいんだろうかって、
自分でも1回調べてみようってそういう風に考えてほしい。
僕の言ってることはもう名古屋大学って
そうなんだっていう風に決めつけるんじゃなくって、
内田はこんなやつだから嘘つきかもしれないって思いながら、
自分で考えていくって、それを僕は皆さんに期待してます。
大学教員だから、そしてもっと言えば黒髪だから大学の教授だから、
信じる先輩でキャリアが長いから信じるっていう事じゃなくて、
ちゃんと一つ一つ
自分の中で考えて受け入れていくっていう。
そういうことを皆さんにぜひ身につけてほしいから、
あえてこうやって挑戦的な髪色をしています。
皆さんに一言いうと、
大学の先生っていうのは面白い方ばかりなんで、
ぜひ高校生の皆さんもいろんな方、
大学に入ったらいろんな先生と話してみるといいと思うんですよ。
こういう方もいらっしゃいます、という。
ということでですね、
本日は教育学というものにつきまして、
名古屋大学教育学部の内田良先生から
お話をお伺いしました。
先生、本日はどうもありがとうございました。
はい、ありがとうございました。
ご視聴ありがとうございました。
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