みなさん、こんにちは。
日本の大学全部行った男、山内太地です。
「千葉大学VS横浜国大、理工学部対決」
ということで、理学部や工学部志望の人、
「千葉大学と横浜国立大学、どっちがいいか」という話をしたいと思います。
これは、別に受験の難易度の話をしているわけではなくて、それぞれの大学の学問上の強みってあるんですね。
それを理解した上で自分が学びたい方の大学を選んでほしいと思います。
まず、千葉大学は理学部を持っています。
これ横国にはないんですね。
そのため、純粋に理学をやりたい人は千葉に行くしかありません。
千葉大理学部というのは、数学、情報数理、物理化学、生物、地球化学、ということで皆さんが高校でやっている数学、物理、化学、生物、地学を大学でしっかり研究を深めていくということができる。
理学部を持っているというのが、国立大学の中でもやはり伝統校は違うなという感じです。横浜国大の場合は、もともと理工学部じゃなくて工学部だったんですね。
具体的なプロダクト、製品を作るということに力を入れているために、理学部は存在しない。実は横浜市立大学に理学部があるので、そっちかなと。
これはちょっと後で解説します。
工学部系だとどうなるんだろうという時に、千葉大学の工学部というのは大変ユニークで、もともとなんと工芸学部だったんですね。
工学と芸術。
今はあんまり芸術の要素が強くはないんですが、もともとはもう少し芸術に近いデザインとかの方の勉強を力が入っていた。今でもデザイン系の学科専攻はありますね。そしてその千葉大学がデザイン系に強かったという伝統の象徴ともいえる卒業生が、なんとびっくりアンパンマンの作者やなせたかしさんです。
東京にあった頃の前身校の出ですけど、
ある程度アーティスティックなデザイナーとかアートみたいなところが強いというのが千葉大工学部のもともとの伝統でした。
今はだいぶその要素が薄まったんですけど、
やっぱりそういう良い伝統は残っていますので、総合工学科1学科の中に9コースあって、
建築、あとは土木の勉強ができる都市環境システム、そしてほとんどの国立の工学部にないデザイン。
この千葉大学工学部のデザインは超一流、世界レベルです。
東大にはないでしょ、横国にもない。
ほとんどの国立大学の工学部にはないんですね。
東工大にもないです。
つまり、デザインをやりたければ千葉大です。工学部の中で。その芸術じゃない工学よりのデザインがしっかりできると。
あとは機械工学。
あとはやっぱり千葉大学の強みは医学部を持っていることです。横国にはない。
つまり千葉大は医工学の勉強ができるんですね。
その医療機器だったり、医学といってもお医者さんがロボット作るわけじゃないので、医学部と組んで、医療用ロボットとか医療電子機器を作るという医工学に強いというのが千葉大学の大きな武器なんですね。
その他の大学の工学部に無いジャンル。
そのほかの大学にもあるジャンルとしては、電気電子工学。
あとは物質科学というのがあるんですけど、もともとは画像という言葉が入っていた学科で、もともと千葉大学が工芸学部でデザインに強かったというなごりがこの物質科学のコースに残っているとあとは共生応用化学。これは応用化学系。
情報工学というのは、これは工学部のよくある定番ですね。
このように、千葉大学の工学部というのは他の国立大学と比べたときにデザインや医工学方面が突出して強いです。
それが特徴である。
もちろんこのコース以外も良い学校ですから、選んでもらうと。
そして、対抗して横国ですね。
横国は何がすごいかと言うときには、やっぱりここは海なんですよ。
横浜国大。横浜、当然港町でございまして、ここが強いのは、なにせ、その機械系の学科の名前が機械材料海洋系学科ですからね。
この場合の海洋系というのは、決して、その海の生物を研究するみたいな。それは水産なので、どちらかというと一言で船を作ると。
船舶海洋工学が横国の機械工学の一番の強み。やっぱり、船。
船って水の中を行くじゃないですか。
そうすると流体を勉強して、当然航空宇宙工学も強い。
船と飛行をやりたければ、どちらかというと横国。化学系は化学・生命系学科というのがあるんで、残るのはやっぱりコンピューター系ですね。
数物・電子情報系学科というのがあって、数学、物理、情報工学、電子系、コンピューター、電気、電子でガツンと学科になっている。
しかし、何かが足りない。
そう、建築土木がないんです。
どこにいっちゃったの。工学部から出てしまって都市科学部になっちゃったんですね。
だからダメということじゃなくて、
この都市科学部はほぼ工学部です。
飛び出した建築と土木。それから文系の都市社会共生と言って都市の文化を学ぶ完全に文系の学問がなぜか同居している。
あとは環境リスク共生学科と言って、環境問題やるんでしょうと思われがちですが、この学科の先生達というのは生態学とか生物学、地球科学、環境あとはマニアックなところで経済経営、哲学の先生まで入っているんですけど、
この都市科学部の方にそういった環境問題とか建築土木系がギュッと集まっているんです。
が、千葉大学に理工があるように横国の場合は理工と都市科学で1セットになっていて、理工系学部になっているというところが違うんですね。
横浜と千葉どっちがいいっていうよりはそれぞれの学校ごとにやっぱり強いところというのがありますから、
その分野をやりたいんだったらそっちに行ったほうがいいです。
横国の場合、理学部がないと代わりに横浜市立大学に理学部理学科があります。
ここで物理、化学、生物はしっかりできます。
しかし、残念ながら数学ができません。
数学の場合は、横国の理工でできるのとまさかの横浜市大だとデータサイエンス学部。
ここで数学をやればいいわけですね。
実は横浜国立大学と横浜市立大学は別の学校ですが、補完関係にあって、
横浜市立大学の方に理学部と医学部があって、それですみ分けているんですね、なんとなく。
ということで、どちらも良い学校ですけど、単なるイメージではなく、研究内容で自分に合った学校を選んでください。
というわけで、千葉大VS横国、理工学部対決でした。
ありがとうございました。
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